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番外編 【アリナミン NIGHT RECOVER】 ヒット商品ネーミング&インサイドストーリー

2022年に急拡大したといわれる睡眠市場に先駆けて、2021年9月に「アリナミン NIGHT RECOVER」は発売されました。この製品は、武田コンシューマーヘルスケア株式会社からアリナミン製薬株式会社へと社名変更してから、初めて発売されたものです。多くの方々が、ミュージカル界のプリンスと評される山崎育三郎さんがオペラの楽曲に合わせて歌っているCMをご覧になったことがあるかもしれません。

■コンセプト&ターゲット

「アリナミン NIGHT RECOVER」はその名の通り夜に特化した栄養ドリンクです。夕方から夜にかけて飲むイメージが強いものですが、実際には意外と朝派と夜派に二分されているそうです。

CMでは、就寝前の飲用がおススメであること【寝ている間に疲労回復!栄養不良に伴う睡眠の質を改善する栄養ドリンク】というコンセプトを分かりやすく伝えるため、パジャマ姿の山崎育三郎さんが「アリナミン NIGHT RECOVER」を飲んだ後、すぐベッドで横になり眠りにつく様子が描写されています。

既存のアリナミンドリンクの購買層は比較的年齢が高く、主に60~70代(男性寄り)がメインとなっていたそうですが、「アリナミン NIGHT RECOVER」に関しては40代を中心に20代などの若年層も含まれ、女性の割合も高くなっており、睡眠に悩む多くの人たちに広く受け入れられているのが分かっています。『男性も女性もどちらも自分のものと思えることが大事』という開発者様の想いが、購入者構造にしっかりと反映されています。

■ネーミング開発について

社内にはネーミング開発を担当する特定の部署がないため、基本的には商品の開発者がその役割を担われます。ネーミングを検討するのはプロダクト開発がキックオフされてから非常に早い時期から行われるようです。

「アリナミン NIGHT RECOVER」の開発時におけるネーミング開発の切り口は主に下記の2方向に分けられます。
A:「睡眠の質を改善する」(効能) 
B:「夜・寝る前」(飲用シーン)

パッケージ面積が小さいため、文字数は少なく(カタカナ7文字以内)、日本人が知っている言葉でありながら、効能やコンセプトを直感的に理解してもらえるネーミングとして、「NIGHT RECOVER」が採用されました。

■決定プロセス

早い段階でネーミング開発に取り掛かられるようですが、ネーミングは日本ネーミング&リサーチのようなネーミング開発の専門会社や代理店にご依頼されることが多いそうです。社内で複数の候補案を絞り込み、お客様調査にかけるなどをし、最有力候補を決定されます。
そのネーミングを使用してデザイン開発を進め、最終的な決定となります。

■薬機法への対策

本製品は指定医薬部外品として発売されるため、ネーミングは薬機法に抵触しない表現が求められます。一方で、効能をわかりやすくネーミングで表現できる可能性が高いと言えます。
「アリナミン NIGHT RECOVER」で使用している「NIGHT」「RECOVER」のいずれも医薬品での使用前例が存在しなかったようですが、お客様調査でも最も評価が高かったネーミングだったため、社内判断で薬事申請に至りました。
その後、当局と何度も調整を繰り返し、懸念点として挙げられた課題をひとつひとつ解消していきました。また、発売のタイミングも迫っていたため、ネーミング・デザインの両方において複数スタンバイをすることで、使用の可否が確認できた時点で、すぐに生産準備に入ることができたそうです。

■商品発売後

「朝が変わる。」のキャッチコピーで上市した翌年、日経TRENDYの2022年ヒットランキングで総合15位に選出されました。医薬品がランキング等で評価される機会はあまり多くないとのことですが、睡眠市場の拡大に伴い、一般的にも注目される商品となりました。具体的な数値は明確には示されていませんが、このヒットランキングのロゴを店頭POPなどで使用することで、トライアルユーザーに対するアプローチにもなったと考えられます。
また、前述した薬機法を含む全体の成功体験が社内のチャレンジマインドを育てるきっかけにもなったようです。


※このニューズレターは、2023年に制作したものを掲載しております。