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VOL.80
(2007.03)
商標につく、R、TM、C の違いについて |
® はREGISTERED TRADEMARK(登録商標)の略称です
ネーミングの後ろによく®マークがついているのを見かけます。商標登録をするかしないかは、企業や団体、個人の任意事項です。しかし日本では登録・先願主義ですので、特許庁に商標出願をしないとその権利が発生しませんし、プロテクトすることができません。ただこの マークの使用や表示は、法的には根拠が無く(商標法73条)、「このネーミングは商標登録していますよ」という、企業や団体、個人の主張でしかありません。長年の慣習から生まれたもののようです。
※アメリカなどのように(登録主義だけではなく)使用主義が主流の国もあります。
®は、儲ける仕組みでもあります
■ケース1
デュポン社(本社アメリカ)は「テフロン(フッ素樹脂を使った技術名)」という商標を持っています。この技術はフライパンだけではなく、最近では応用範囲が広がり、高層ビルの耐震構造や大型の構造物にも使われています。同社は世界中にこの「テフロン」の技術と商標を使用するライセンスで大きな利益を上げています。
また同社が持っていた商標「ナイロン」は、®マークを付けて使用していなかったため、いつの間にか一般名称化してしまい、莫大な利益を逃したと言われています。
■ケース2
「ウールマーク」の商標はウールマークカンパニー(オーストラリア)が所有しています。この組織では「ウールマーク」を付けた製品が、ウール100%であるかどうかを世界中でチェックしています。このマークを使用するライセンス料として、メーカー1社あたり、年間約70万円を徴収しています。
■ケース3
日本でも「クラリーノ」の商標を持つクラレが、この名称で合成皮革の素材を販売し、世界中で約25%のシェアを持っています。「クラリーノ」を使用した製品は非常に数多く、技術と商標で利益を上げていると言っても過言ではありません。
※「テフロン」はデュポン社の商標です。
※「ウールマーク」はウールマークカンパニーの商標です。
※「クラリーノ」はクラレの商標です。
TMは、TRAED MARK(トレードマーク:商標)の略称です
現在のアメリカの商標制度では、登録主義と使用主義が混在しています。使用主義とは、先駆けてそのネーミングを商標として使っていたことが証明できれば、必ずしも商標登録をしなくても良いとされるものです。最近では、特にアメリカのIT産業や、ソフト産業などで、製品名の後にTM表示がよく使われていることから、日本でも取り入れる企業が見受けられます。
しかしこのTM表示にも、法的な根拠はありません。
また登録していない商標、というわけでもありません。
あくまでも「我が社の商標です」という意思表示です。
©は著作権の主張で、COPYRIGHT の略称です
© は、写真やキャラクターなどのイラストなどについているものが多く見受けられます。
著作権についてはその管轄が文化庁で、商標は特許庁の管轄です。
著作権は何かを創造した場合、自動的に発生するもので、商標のように公的機関による登録制度がありません。業界によっては、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)のように、音楽関係の著作物に関して管理する団体などがあります。
著作物とは文章、写真、絵画、映像、ソフトウエア、音楽などで、とても広範囲にわたります。
日本国内では著作物は、創造された時から法律で保護されます。
この© マーク自体は法律上のものではなく、「私の著作物です」という主張ということになります。
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