販売チャンネルやターゲットによってネーミングのテイストは大きく変わってきます。今回は業務用商品ネーミングについて取り上げてみます。
ダイキン工業の業務用空調機器「DESICA(デシカ)」。
DESICANT(英語:乾燥させる)を短くアレンジしているネーミングです。 一般向け商品ですと、「DESICANT」の意味がユーザーにわかってもらいにくく、このネーミングはつけられないと思います。しかし、商品が業務用ですのでユーザーが「DESICANT」の意味を理解でき、デシカント空調の代名詞にもなりうる可能性があるというブランディング戦略が感じられます。
ムラタソフトウェア(村田製作所)の解析システム「Femtet」。
FINITE ELEMENT METHOD(有限要素法)+TETRAHEDORONT(四面体、メッシュ形状)からの造語です。 FEMTO(単位の接頭辞で、10のマイナス15乗を表す) ともかけており、ソフトの高速性も表現しているそうです。また専門用語を使用しているので、信頼性も出ているように感じます。
商品の入れ替わりが激しい一般向け商品ネーミングと違い、業務用ネーミングは長く使用されることを前提に開発されます。そのため、流行の言葉を取り入れることは数多くありません。また、「じっくりコトコト煮込んだスープ」に代表される説明的ネーミング(長いネーミング)はあまり業務用には向いてないのかもしれません。
業務用商品のネーミングと聞くと、以前は型番のイメージが強かったように思います。しかし国際化と共に、ブランドの価値が高まる現代において、TVCMなどを流さない業務用だからこそ、良いネーミングをつけ、ブランド価値を高めていく必要性があるのではないでしょうか。