News Letter

Vol.127 大分は「おんせん県」 観光PRねらい商標出願

温泉の湧出(ゆうしゅつ)量や源泉数で都道府県別日本一を誇る大分県が、県内観光のキャッチフレーズを「おんせん県」と定め、特許庁に商標登録出願をしました(2012年1月)。

■商標出願の類似群コード
「おんせん県」は、44類の入浴施設の提供のほかにも、30類(菓子)、39類(企画旅行の実施ほか)、41類(娯楽施設の提供)、43類(宿泊施設、飲食物の提供ほか)など幅広いジャンルで商標出願されています。

■商標出願の経緯
観光戦略を検討していた大分県に、県内の業者が「香川県は『うどん県』で売り出している。
大分県は『おんせん県』でどうか」と提案し、採用されたとのことです。
「別府や湯布院のほかにも個性的な温泉はたくさんあります。ぜひお試しを」と担当者はアピールしているそうです。
しかしこの動きに、草津温泉で有名な群馬県など、各地の温泉処を持つ自治体が反発しました。
「温泉」を独り占めにするのは許されない、との他の自治体の抗議について、「各県の使用を妨げる意図は一切ありません」と大分県は釈明しています。

■特許庁の拒絶査定
2013年5月16日特許庁は大分県に対して商標登録を認めない拒絶理由通知書を送りました。
この名称が「多くの温泉がある県」程度の意味合いしか持たない事などが上げられています。
この判断は商標却下ではないため、大分県は40日以内に反論が可能でしたが、同月22日に登録を断念すると判断しました。理由は「おんせん県」の使用が商標で制限されず、登録されなくても損失はないという事です。

■同様な動き
・広島、「おしい!広島県」
これも観光キャンペーンをアピールするためのキャッチフレーズです。
「おしい!をおいしいに変えていく」さまざまなキャンペーンが用意されているようです。
広島県は「おしい!広島県」を商標出願していないようです。

・香川、「うどん県」 
香川県が名産のうどんをアピールするため商標出願し、2012年8月に商標登録されました。
「うどん県」の商標分類は、30類穀物の加工品、うどん、菓子など、39類企画旅行の実施ほか
43類宿泊施設の提供、飲食物の提供ほか、となっています(2013年5月現在)。