News Letter

VOL.117 「スマート」なネーミング

■「スマート」がもつイメージ
2000年代に入り、携帯電話の急速な成長により「携帯電話が一人一台」になりました。そして、さらに高機能の「スマートフォン」が登場し、今では「スマートフォンと携帯電話の2台持ち」をしている人も増えているようです。「スマート」という単語自体は昔から使用されており、新しい言葉ではありません。しかし最先端の技術と機能が詰め込まれた「スマートフォン」の登場によって、「スマート」という言葉に先進性や新しさ、登場感を感じる人も多いのではないでしょうか。

最近のネーミングの中にも「スマート」が含まれるものが多く登場しています。
現在「SMART」を含む商標は全部で2877件の出願・登録がありますが、そのうち2010年以降に出願されたものは922件もあります。(2012年4月時点)全体の約三分の一がこの2年の間に出願・登録されています。

●スマートタブレット/ソフトバンクモバイル(製品名)
●スマートハイム/積水化学工業(自然エネルギーを効率よく使えて快適な家)
●スマートアーチ/パナソニック(PC連携機能名)
●ガ、スマート/大阪ガス(スローガン)
●スマートフード/森永製菓(ウィダーinゼリー:カテゴリー名)

■過去に流行した言葉
その他、過去には下記のような単語が流行しました。

●「メガ」メガマック(マクドナルド)、メガ牛丼(ゼンショー(すき家))、メガティラミス(ファミリーマート)など
●「ナノ」ナノイー(パナソニック)、iPod Nano(アップル)、ナノ(タタ・モーターズ(インド))、ナノックス(ライオン)など
●「ハイブリッド」ハイブリッドカー、ハイブリッド麺(日清食品)、ハイブリッド住宅、など

■今後の展開
「ナノ」や「ハイブリッド」は今でも使用されていますが、「メガ」商品を見かける事は少なくなりました。言葉の流行の注意点としては、流行で終わってしまいその後は「古い」「昔流行った」イメージがついてしまう事です。
しかし「スマート」は“賢い・利口な”といった意味から“おしゃれ・洗練された”“てきぱきした”など幅広い意味を持ちます。その幅広いイメージを活用して、おそらく「スマート」を含んだ様々なネーミングはこれからも登場してくると予想されます。
もちろん、スマートフォンやスマートハウスのように特定の業界では一般用語になってしまい登録できない可能性もあるので、言葉の組み合わせには注意が必要です。