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VOL.77
(2006.11)
図形商標の類似について |
●化粧品ミシャ(韓国メーカーブランド) 商標権敗訴で花柄マーク使用禁止
低価格戦略で若者を中心に人気を集めている化粧品ブランド「ミシャ」が、日本のメーカーの起こした商標権訴訟に敗訴しました。ソウル南部地裁は、日本のマリークワントコスメティックスジャパンが、商標権の侵害にあたるとして、ミシャを展開するエイブルC&Cを相手取り、商標権侵害禁止などを求めた訴訟で、原告の一部勝訴とする判決を下しました。
判決文は、2つの商標は色が異なるものの、現行商標法上では色彩のみが異なり、他構成要素が同じものは同一商標として認定されることを指摘しました。 状況により商標権者が色を変えて使用することもできることも考慮し、両商標を類似するものと判断しました。
(YONHAP NEWSの記事から抜粋)
※ミシャのロゴマーク(左)とマリークワントのロゴマーク(右)。
●商標には差し止めの権利と損害賠償の権利があります
これを受け、該当商標を商品パッケージや広告などに使用したり、商標を使用した商品の販売・譲渡、商標のインターネットサイト上の表示などが禁じられました。直営店などにある物品に表示された商標も廃棄しなければなりません。マリークワントコスメティックスジャパンは、1994年に英国人有名デザイナーのデザインによる花柄のロゴマークを商標登録しており、昨年、ミシャに対し同ロゴマークの使用禁止と、これに伴う営業損失1億ウォンの支払いを求めていました。
損害賠償については、認定する根拠がないとして原告側の要求は棄却されました。エイブルC&Cは先ごろ、大阪に日本初の直営店をオープンしており、米国、豪州など14カ国で150店舗余りのブランドショップを運営しています。今回の判決で、海外市場攻略に打撃を受けることが予想されます。(YONHAP NEWSの記事から)
●図形商標調査や商標登録の必要性について
このような読めない図形やマーク、キャラクターについては、事前に弁理士に商標調査を依頼することが可能です。商標調査を済ませて、それを登録しておけば、他社の登録商標を侵害する恐れもなく、上記のようなトラブルも未然に防ぐことができます。 商品の販売を開始してからの、このようなトラブルの発生は、業務の進行にブレーキをかけ、その企業イメージも大きく損なわれます。 世界中をインターネットで情報が駆けめぐる現在、知的財産の権利化とその運用については、十分な注意を払いたいものです。
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