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VOL.78 (2006.12)
「赤毛のアン」は誰のもの?
小説「赤毛のアン」の題名をテレビゲームなどに使うため商標登録したカナダの映画会社が、(同国プリンスエドワード州政府の請求を認めて登録無効とした)特許庁の審決取り消しを求めた訴訟の判決で、知財高裁は21日までに、登録無効を支持、映画会社の請求を棄却した。
資料:流れ
裁判長は「世界的に著名な作品の原題で、カナダが誇る重要な文化遺産。大きな経済的価値があり、それを損なう恐れのある商標登録を認めることは、日本とカナダの国際信義に反する。著作物と関係のない一企業が独占するのは相当ではない」と判断した。 判決によると、「赤毛のアン」を映画化した原告が2000年6月、原題の「Anne of Green Gables」をテレビゲームのほか、眼鏡、時計、スロットマシンなどに使うとして日本で商標登録を出願し、01年に登録された。 この動きに対し、小説の舞台となっているプリンスエドワード州政府が登録無効を請求。 特許庁は04年7月「原作者の遺産相続人らに無断でした商標登録は無効」と審決した。 裁判長は判決理由で、「ハムレット」や「ドンキホーテ」など、有名な作品のタイトルが多数商標登録されている現状にも言及し、「本来万人の共有財産であるべき著作物の題号を無関係の者が出願した場合、単に先願者というだけで独占的な商標使用を認めるのは適当とは言い難い」と指摘した。(以上、共同通信社の記事から)

●他の事例では・・・・・・・
※現実にはハムレット4件、ドンキホーテ16件、マクベス4件、などの登録が見受けられました

●商標登録の要件
商標権は登録された商標を独占的に使用できる権利であるため、登録されるために満たさなくてはならない条件を規定しています。上記の例、赤毛のアンでは、下記C番の公序良俗に反するもの、に当たると考えられます。

(1)自他商品・役務の識別力があること 普通名称や記述的名称、
ありふれた氏名などはだめ
(2)使用による自他商品・役務の識別力の発生 品質を表す「スーパードライ」や、通常は登録を認 められない地名などでも、コーヒーの「ジョージア」や、「ケンタッキーフライドチキン」のように使用を続けることで認められる場合があります。
(3)他人の権利を害さないこと 他人の登録商標と類似でないこと
(4)公の利益を害さないこと 国旗、菊花の紋章、国際機関関連、
著名な標章などもだめ



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