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VOL.90
(2008.07)
マスコットキャラクターの権利 |
■あらゆるものがキャラクター付き
商品やイベントの知名度を上げたいというときに、マスコットキャラクターは大きな役割を果たしてくれます。菓子、飲料水、薬、電化製品のほかにも、近年では地域イベントのキャラクターが注目されています。2010年に開催される奈良市「平城遷都1300年祭」の『せんとくん』や、滋賀県彦根市「彦根城築城400年祭」の『ひこにゃん』はさまざまな話題を呼び、結果的に注目を集めました。長年大阪のシンボルとして親しまれてきた飲食店「くいだおれ」の『くいだおれ太郎』は看板人形の枠を越え、閉店後も商標権の行方が注目されています。
これらはどれも権利を有するものなので他人が無断で使用することはできません。
■商標権と著作権の違い
漫画やアニメのキャラクターは主に著作権で守られており(©マーク)、商品マスコットやイベントマークのキャラクターは図形商標登録されているものもあります(®マーク、™マーク)。さらに店舗看板を立体商標として登録している企業もあります。上記の「くいだおれ太郎」も立体商標として登録されています。その他ケンタッキーのカーネル・サンダース立像や不二家のペコちゃんも立体商標です。(キャラクター以外ではコカコーラの瓶やマグライトなどが立体商標として登録されています)
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[保護の対象] |
[管轄] |
商標権 |
呼称…ネーミング
図形…絵柄、マーク
立体 |
特許庁 |
著作権 |
絵柄、キャラクター、音楽、文章写真、絵画、
映像、ソフトウェア
など |
文化庁 |
■著作権があっても、商標登録する理由
「著作権があるのなら商標登録する必要がないのでは」と思われるかもしれませんが、キャラクターが商品やサービスのブランドとしても活用される場合は商標登録をおこなう意義があります。また、他人が勝手に登録していた、という事態が生じ得ないとも言えませんので、リスク回避の点でも商標登録をおこなう意味があり、実際多くのキャラクターの絵が商標登録されています。
著作権は著作物の創作と同時に発生するため(無方式主義)、トラブルに備え、創作した年月日等の権利内容を示す客観的な資料を保管しておく必要があります。一方、商標権は登録によって権利が発生し、権利内容も公報という客観的な資料がありますので、トラブルへの対処が比較的容易です。インターネットが定着した現代では、登録されていない商品は簡単に模倣され、本来の権利を侵害される危険性が高いのでそのような事態を防ぐためにも、商品ネーミングはもちろん、ショルダーフレーズやシンボルマーク、マスコットキャラクターも商標登録することで、著作権と商標権の多面的保護で、トラブル防止・対処に活用できると思われます。
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