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VOL.95 (2009.2)
和製英語は身近なネーミング

■カタカナなしでは、仕事ができない?
ひらがな、カタカナ、漢字、英語。日本は世界でも類を見ないほど多くの言語表記が日常生活の中で存在しています。ビジネスシーンではカタカナと英語を使わずに仕事することはおそらく不可能でしょう。 そしてカタカナで表記する言葉の中には、本来の英語にはない「和製英語」がたくさんあります。
「テレビゲーム」「クーラー」「ズボン」「フライドポテト」「コンセント」などは全て和製英語です。誰が名付けたかは不明なものも多いのですが、これらは大半の日本人に浸透している見事なネーミングです。
ちなみに前述の単語は英語で「videogame」「airconditioner」「pants」「Frenchfries」「socket(またはoutlet)」となります。

■和製英語の構成
“和製英語”を辞書で引くと『日本で英語の単語をつなぎ合わせたり変形させたりして、英語らしく作った語。実際には英米人には通用しないもの』とあります。 ネーミング開発では、日本人向けとして英語をベースに言葉を組み合わせて造語をつくるということが頻繁にあります。このとき重要となってくるのが日本人にわかるレベルの英語で、わかりやすくつくること。そしてその造語を聞いて、そのものとイメージが一致することです。

袖のない洋服のことを日本では「ノースリーブ」と呼びます。構成はno(無い)+sleeve(袖)であり、実に日本人にとってわかりやすい組合せです。しかし英語では「sleeveless」。ワイヤレス(無線の)という言葉が浸透している今なら「less(〜の無い)」という言葉も通用しますが、最初にノースリーブが命名された頃は「レスよりもノーのほうがわかりやすい」という判断だったのでしょう。

車の「エンスト」はエンジン・ストップの略と考えられますが、英語でエンジン・ストップだと意図的にエンジンを止める事を意味します。英語のengine(エンジン)+stall(ストール:失速)が日本でいうエンストですが、同じ「スト」でもストールの意味がわかる日本人は少ないでしょうし、イメージも近いので和製英語としては「エンスト」という呼び方が最適なのでしょう。

■和製英語とその英語
キーホルダー key ring
ストーブ heater
デコレーションケーキ fancy cake
ドクターストップ doctor’s order
トランプ
playing card
ネームバリュー name recognition
ベッドタウン commuter town
モーニングコール wake-up call

和製英語には初めて聞いたときからぴったりとイメージできるものと、時間をかけて世の中に浸透してきたものがありそうです。海外にあって日本に入ってきたものは英語をベースにより分かりやすくアレンジされ、まったくの新商品の場合は大半がその商品をつくった企業の命名した呼び方で広まります。 また商標登録されるものや、後に普通名詞やカテゴリー名として定着するものもあります。


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