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VOL.94 (2009.1)
魅力的な「ZERO」

■カラダに良さそうなネーミング
2008年4月から企業や自治体に実施が義務付けられた「メタボ健診(特定健診・特定保健指導)」が後押しとなり、低カロリーを売りにしたヘルシー系食品がますます増えています。中でも「ZERO/ゼロ」を含んだネーミング(またはパッケージ)の商品が急増し、人気を集めています。また、2008年流行語大賞でも「糖質ゼロ」がノミネートされました。

企業がネーミングに「ゼロ」を多用する理由は、(1)わかりやすく伝わる、(2)健康志向をアピールできる、(3)効果的な広告活動ができる、などの理由が考えられます。以前は「カロリーハーフ」という表示が健康的な食品をイメージさせました。その後「〜ライト」「ダイエット〜」などが登場し、ついに消費者にとって最も魅力的な「ゼロ」まできました。

老若男女を問わず「太ってもかまわない」という人はほとんどいません。食品はいかに『おいしいけれど太らない』かがポイントです。甘味料の開発や改良によって砂糖を使わない『甘さはあるけど糖質ひかえめ』という商品が生まれました。同じ量を食べても砂糖の摂取をおさえられるのでダイエット目的として注目されましたが、さらにヘルシーなものが研究され、ついに「ゼロ」表記が可能な商品へと発展しました。商標登録の観点から見ると、「0」ではなく「ZERO」と表記することで識別力が認められ登録されている例があります。

■「0」じゃなくても「ゼロ」。
ビール、発泡酒、清涼飲料水、菓子、デザートなどに多く見られる「カロリーゼロ」「脂質ゼロ」は、成分表示でも完全に「0」なのでしょうか? 東京都福祉保険局によると、カロリーに関しては「食品100gあたり(飲料の場合は100mlあたり)20kcal以下の商品は低い旨を表す『低カロリー、カロリーひかえめ』と表示でき、同じく5kcal以下の商品は『ノンカロリー、カロリーゼロ』の表示をしてもよいとされています。

商品のネーミングとしても「ZERO/ゼロ」という表現は非常にわかりやすく、インパクトがあり効果的です。成分比率が上記の基準未満であれば「ノン〜」「〜ゼロ」どちらを使ってもよいことになりますが、「ゼロ」の方が語感的にもはっきりとした濁音が入っている点や、英字で表記した場合のインパクトも強いので各社で多用されていると思われます。

■「ゼロ」の次は?
今後のゼロ系商品はどうなっていくでしょうか? 既に欧州では「脂肪分ゼロ&砂糖ゼロ」などの『ダブルゼロ』がブームになっているそうです。日本ではさらに「カロリーゼロ」等も実現し、『トリプルゼロ』を掲げた商品が消費者の人気となりそうです。また食品類での『トリプルゼロ』商標にも注目したいと思います。


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