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VOL.123 (2013.02)
商標登録は的確な類似群コードで

■経緯/日本郵便の「ゆうメール」が商標トラブル
・ 札幌の企業が「ゆうメール」を2004年6月に商標登録を受けました。
商標分類は第35類で類似群コードは35A01
「各戸に対する広告物の配布など」(ダイレクトメールによる広告ほか)でした。
・ 日本郵便は「ゆうメール」を別の第39類、類似群コード39M01
「郵便、メッセージの配達など」(親書の送達)で2004年11月に商標登録を受けました。
・ 札幌の企業は日本郵政に対し、「ゆうメール」の使用差し止めを求めて提訴していました。
・ 東京地裁は広告物を配布する場合の「ゆうメール」の使用を差し止めました(2012年1月)。
・ 日本郵政は即日控訴していました。

■商標は商品やサービスの類似群コードごとに登録する
日本郵政は「広告物の配布」にあたらないと主張していましたが、東京地裁は、日本郵政が広告において、「ゆうメール」が広告物の配布に利用出来ると宣伝しており、広告物が配達されるときは「各戸に対する広告物の配布」と少なくとも類似すると認定しました。
一方で「ゆうメール」が「広告」には当たらないと主張しています。このことは、分類や類似群コードにとらわれることなく実際のサービスを的確に商標登録する事の重要さを示唆しています。
また日本郵政は登録商標に無効理由があるとの主張で「ゆうパック」と紛らわしい等をあげましたが、東京地裁は「ゆうメール」とは類似性が乏しく混同が生じない等と判断し、その主張を退けました。

■商標法の専有権と禁止権
商標は登録された日から10年間が効力の及ぶ期間となります。
またその後は10年単位で更新が可能になります。
また商標法では権利を侵害した企業に対し、使用の差し止めや損害賠償の請求が認められています。

■知財高裁で和解へ
2012年9月知的財産高裁において、日本郵政が札幌の企業の商標を買い取る事で和解が成立しました。買い取り額は公開されていませんが、使用予定のネーミングをより正しいサービスで商標登録しておけば防ぐ事ができた不要なコストといえます。 民営化の前の税金処理であれば大きな問題になった可能性があります。


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