Column

最新ネーミング事情Vol.45 間違えて書いて(読んで)いるかもしれないネーミング

ネーミングは書きやすく、読みやすいものが理想ですが、様々な事情で、本来と違う書き方や読み方になるケースがあります。今回はそんなネーミングをピックアップしてみました。

●キヤノン、キユーピー、富士フイルム、シヤチハタ
本来、ャ、ュ、ョなど、小文字になるべき箇所が大文字になっているケースです。理由の多くは「見た時の文字のバランス」で、小文字が入ると文字の上に空白ができ、バランスが悪く感じるようです。

●リポビタンD
リポビタン「ディー(英語)」ではなく、リポビタン「デー(ドイツ語)」が正式な読み方。発売元の大正製薬が医薬品会社のため、医療用語でよく使われるドイツ語読みになったそうです。

●ビックカメラ
「ビッグ」カメラではなく、「ビック」カメラです。「ビック(BIC)」には、アメリカの古い言葉で、「(見た目だけでなく)中身が大きい」という意味があるそうです。

●東日本旅客鉃道、西日本旅客鉃道
「鉄」という漢字の構造が「“金”を“失”う」となり、縁起が悪いので、「鉃」となっています。社名に「鉄」が入る会社はこの傾向があり、新日本製鐵など、多くの製鉄会社は旧漢字の「鐵」を用いています。

●「藤岡弘、」、「本田美奈子.」、「モーニング娘。」
芸能人の芸名に見られる、実は語尾に句読点などが入っているというパターンです、こちらも理由は「縁起」で、句読点自体に思いを込めたり、字画の関係で句読点を付けたりなど、様々な理由があるようです。

このように、間違えて覚えてしまいそうなネーミングですが、すべてのネーミングがセオリー通りでは面白くありません。気になったネーミングのルーツを探ってみるのも意外と楽しいものです。

※文中のネーミングの意味は、各社のホームページなどを参考にしていますが、昔から続くネーミングについては当初と語源が変わっていることなどがあります。その点ご了承下さい。