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最新ネーミング事情Vol.12 ターゲットを限定したネーミング

一人でも多くのお客さまに商品を購入していただき、ヒット商品を作りたいという想いは商品開発者なら誰もが願っていることではないでしょうか?
そのために調査を重ね、商品開発を進められていますが、ターゲットを限定し直接的に表現したネーミングというのはあまりつけられることがありませんでした。 ターゲットを限定するために江崎グリコGABAの「ストレス社会で戦うあなたへ」のようにショルダー、キャッチフレーズなどで補足されることはよくあります。
しかし、ここ最近キャッチフレーズなどで使用していた表現をそのまま商品名やブランドにすることを多く見かけるようになりました。

永谷園 「冷え知らず」さんの生姜シリーズ
 冷え性に悩む女性をターゲットにした商品、パッケージも女性にうけるかわいらしいイメージ
東芝 「ママゴコロ家電」
 ママ(主婦)目線で新しいものづくりをした家電シリーズ
明治製菓 「Perfect Plusデスクの朝食」
 朝食を会社に着いてから自分の席で食べる20~40代の「席朝族」をターゲットに開発した機能性食品
ロート製薬 「50の恵」
 50才からの肌と髪の悩みを考えて、50種類の潤い成分をギュッとつめこんだシリーズ

どれもターゲットが誰であるかがすぐわかり、親しみ感のある雰囲気になっています。ターゲットを限定し、ストレートに訴求する事で、商品力がより強くなり、ターゲットの購買意欲をかきたてるように思われます。 特に、永谷園の「冷え知らず」さんシリーズは冷えに悩む女性に大ヒットし、生姜ブームの先駆け的存在になったと言っても過言ではありません。

その反面、このターゲットを限定したネーミングはどんな商品にでも使うことができるものではありません。デジタル製品、車、高級化粧品など、独自の世界観を持つ商品には向かない傾向にあります。 これらのネーミングを付ける際には商品分野、商品特長、他社との差別化などをより意識した上でつける必要があるのではないでしょうか。