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最新ネーミング事情 Vol.174 「ゴジラ」に関するエトセトラ

今月、11月3日に、7年ぶりの国産実写「ゴジラ」映画となる「ゴジラ-1.0」が公開されます。今回は「ゴジラ」の名前に関する雑学をご紹介します。
※ 歴史の長いシリーズであるため、伝聞によるものなど不確かな情報もございます。あらかじめご了承ください。

「ゴジラ」の由来

「ゴリラ+クジラ」の造語であることをご存じの方は少なくないと思いますが、「ゴリラのように力強く、クジラのように大きいから」という由来は厳密ではないというのが通説になっています。
直接の由来は、当時東宝演劇部に所属していた網倉志朗氏からで、「“ゴリラ”のように大きな身体」で「“クジラ”が好物」であったことから着想を得て「ゴジラ」となったそうです。
網倉氏の当時のあだ名が「グジラ」であったのをもじったという説もあります。

「ゴジラ」の英語表記

「ゴジラ」の英語表記は「Gojira」ではなく「Godzilla」となっています。第1作『ゴジラ』がアメリカナイズされた際、このような綴りになりました。
理由については、「God(神)」という単語を冠することで、その強さ・唯一性を表現したという説がありますが、日本語の「ジ」の発音をスペルに起こした結果「dzi」となったに過ぎないという説もあり、正確な記録は残っていないようです。
しかしながら、前者の方が世界観に広がりが生まれる由来であることは間違いないと思われます。

「ゴジラ」と商標

「ゴジラ」および「GODZILLA」は配給元の東宝株式会社が全ての区分で商標登録しています。
一方、「ゴジラ」=「怪獣」の代名詞として定着しているため、それをもじった商品やサービスも多く存在します。

​【例】

  • ピザーラ(宅配ピザ)
  • Mozilla(Webブラウザ開発)
  • Jira(プロジェクト管理ソフトウェア)

これらが東宝の知的財産に抵触するかどうかはケースバイケースであるようです(上記の例は容認されているようです)。
近年では、建設機械部品の愛称として商標登録された「GUZZILLA」が、「GODZILLA」と混同する恐れがあるとして、登録が取り消されました。

「ゴジラ」の愛称

ゴジラの造形は作品ごとに異なります。
そのため、ファンからはそれぞれの作品に登場するゴジラに愛称をつけて呼んでいます。

​【例】

  • 初ゴジ(第1作『ゴジラ』/“初代のゴジラ”から)
  • キンゴジ(第3作『キングコング対ゴジラ』/対戦怪獣から)
  • 釈ゴジ(第26作『ゴジラ×メカゴジラ』/主演の釈由美子氏から)
  • ギャレゴジ(米国2014年版『GODZILLA』/監督のギャレス・エドワーズ氏から)
  • シンゴジ(第29作『シン・ゴジラ』/作品名から)

一方、東宝はこれらの愛称を「公式化」しないことを徹底しているようです。
例えば、「シン・ゴジラ」はあくまでも作品の名前と位置付けており、登場するゴジラについては「ゴジラ(2016)」のように、「ゴジラ+登場作品の年号」で呼称しています。