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番外編 ヒット商品ネーミング&インサイドストーリー 【じゃがりこ】

※本ニューズレターは、2020年3月時点の情報です

スナック菓子メーカーのカルビー株式会社(以下、カルビー)から1995年(平成7年)に誕生した【じゃがりこ】が、発売25周年を前にSNSで話題になっています。
きっかけは、Twitterに投稿された『じゃがアリゴ』です (アリゴ=フランス中南部の郷土料理で、チーズを混ぜて作る伸びるマッシュポテト)。

このNLでは、【じゃがりこ】開発当時の話やネーミングについてご紹介していきます。

お客様がスナック菓子に求めるものを改めて調査し、「いつでもどこでも、みんなで楽しくおいしい、手が汚れにくいスナック」をコンセプトに開発された【じゃがりこ】ですが、実はテスト販売当時のネーミングは「じゃがスティック」でした。
箱型とカップタイプの2パッケージを用意し、「じゃがスティック」と「じゃがりこ」の両方でテスト販売を行った結果【じゃがりこ】に決定しました。
2つの異なるネーミングでテスト販売をすることはカルビーの中でもめずらしい取り組みだったそうです。

■ネーミングの由来 カルビーのホームページで下記のように紹介されています。

新しくできたお菓子を開発担当者の友人(りかこさん)がとてもおいしそうに食べている姿を見て、商品名を思いつきました。

じゃがいも + りかこ → じゃがりかこ →『じゃがりこ』となりました。

実はダジャレからスタートした【じゃがりこ】ですが、スペイン語にLICO(リコ:おいしい)という言葉があり、じゃがいもを使ったおいしいスナックとも考えることができます。

■キャラクターの由来

そして同じくダジャレから発想されたのが、キャラクターのキリン達です。
ロングセラーの『かっぱえびせん』のキャッチフレーズが「やめられないとまらない」なら、こちらは「食べだしたらきり(キリン)がない」ということでキリンがキャラクターに採用されました。
その裏には、『かっぱえびせん』にあやかり、多くのお客様に長く愛されるお菓子になってほしい」という開発チーム
の願いが込められています。
ちなみに、キャラクターにも名前がついていますが、サラダはじゃがお(おとうさん)、チーズはりかこ(おかあさん)と、ここでもしっかり「りかこ」さんが登場しています。

ユーモアあふれるダジャレとキャラクターを使った表現は、デザインバーコード®の中でも継承されています。
※「デザインバーコード®」はデザインバーコード株式会社の登録商標です

■パッケージと妹ブランド

【じゃがりこ】はターゲットの女子高生が外で手を汚さずに食べられるようにと、カップ形態で発売されてきましたが、妹分ブランドの『えだまりこ』『とうもりこ』はパウチタイプが採用されています。
カップはシェアがしやすい反面、食べきらないといけないのに対して、パウチは開閉が自由でカバンにも入れやすいのが特徴です(キャラクターは、ウサギ(アイラヴィット)とリス(このおいしさリスペクト)を採用)。

最初から【じゃがりこ】の妹分として企画されていたため、ネーミングは『〇〇りこ』とすることは決まっていました。いくつもの候補から『えだまりこ』『とうもりこ』に決めた理由のひとつは、文字数が奇数だったからだそうです。
カルビーのヒット商品は、かっぱえびせん・サッポロポテト・ピザポテト・じゃがりこ、じゃがポックル、じゃがビーと文字が奇数のネーミングが多いそうです。

■まとめ

今の【じゃがりこ】は女子高生から主婦層にまで人気の商品となりましたが、その背景には開発チームの情熱とお客様への感謝の気持ちがたくさん込められています。
実はポテトチップスの製造過程が約20分なのに対して、【じゃがりこ】は約2時間半と6倍以上の時間がかかります。そのため新フレーバーなどの試作も大変なのですが、発売以降120品目以上の商品をお客様にお届けしています。
また、お客様から届いた手紙には、担当者さんが手書きでお返事をだしているそうです。
製造過程の複雑さなどから、今はまだ日本国内での製造販売に留まっていますが、いつか海外での製造を実現し世界中で販売される日が楽しみです。