Column

最新ネーミング事情 Vol.175 バラエティ豊かな「レモンサワー」のネーミング

新型コロナウイルスの5類移行後、初めての忘年会シーズンが訪れます。
一方で、家飲みの需要もまだまだ高水準を維持しているようです。

家飲みでは、ビール系飲料の税制改正に伴い、チューハイやカクテル系の飲料が注目を集めており、特に人気なのが「レモンサワー」です。
今回は、このレモンサワーのネーミングについて考察してみました。

  • こんなにある!レモンサワー

驚くべきことに、今回、主要な企業のレモンサワーを調査してみると、どの会社も多くの商品ブランドを展開していることが明らかになりました。
レモンの種類やアルコール度数の違いも考慮すると、商品のバリエーションはさらに幅広くなります。

以下は、各社の主要商品の一覧です。

アサヒビールキリンビールサントリー
贅沢搾り レモン氷結 シチリア産レモン-196℃ストロングゼロ ダブルレモン
ザ・レモンクラフト本搾り レモン-196℃ 瞬間凍結 無糖レモン
樽ハイ倶楽部 レモンサワー麒麟百年 極み檸檬サワーこだわり酒場のレモンサワー
横丁ダルマサワー 特製レモン麒麟特製 レモンサワーほろよい はちみつレモン
未来のレモンサワー麒麟 発酵レモンサワー 
ハイリキ レモン  
Slat レモンサワー  
GINON レモン  
サッポロビール宝酒造日本コカ・コーラ
濃いめのレモンサワータカラcamチューハイ檸檬堂
レモン・ザ・リッチ焼酎ハイボール レモン 
ニッポンのシン・レモンサワー寶CRAFT 京檸檬 
99.99クリアレモン丸おろし レモン 
 極上レモンサワー 

「レモンサワー」1つでも、コンセプトが細分化されていることがよく分かります。

  • ネーミングの様々な「コンセプト」

さまざまなコンセプトがある中で、最近はいくつかのアプローチが注目されています。

「お店の味」訴求
【例】檸檬堂、こだわり酒場のレモンサワー、樽ハイ倶楽部

日本コカ・コーラの「檸檬堂」の成功がこの動向を生んでいます。
さらに、新型コロナの影響下での自粛生活では、「お店の味を自宅で楽しむ」というコンセプトが、非常に魅力的に映りました。

「素材感」訴求
【例】本搾り、贅沢搾り、丸おろし

キリンビールの「本搾り」のヒットが契機になりました。
飲む前に「缶をひっくり返す」という提案も当時斬新でした。

「クラフト」訴求
【例】ザ・レモンクラフト、寶CRAFT

ビール業界で起こった「クラフト」の流れが、レモンサワーでも注目されています。
特にアサヒビールの「ザ・レモンクラフト」は、最初はセブンイレブン限定だったものの、高い人気により販売範囲が大幅に拡大しました。

「新しい方向性」
【例】未来のレモンサワー、麒麟百年、ニッポンのシン・レモンサワー

これらは今年2023年に発売された新商品です。先述の3つのアプローチとは異なる切り口ですが、独自のネーミングと商品の魅力により、どれも好調な売れ行きを示しています。

  • 「レモンありきのブランド」か「フレーバーとしてのレモン」か

「レモンありきのブランド」の代表例は、やはり「檸檬堂」です。
その「レモン専門」路線が特に魅力的に映ります。

ちなみに、「檸檬堂」は「柚子堂」や「葡萄堂」など、他の果物に変えた派生ブランドを展開していないため、徹底的にレモンサワーのブランドであることを示しています。 一方、「-196℃ストロングゼロ」のように、レモンを「フレーバーの一部」として扱うことも一般的です。
このケースでは、「ダブルレモン(-196℃ストロングゼロ)」、「極み檸檬(麒麟百年)」、「特製レモン(横丁ダルマサワー)」のように、「フレーバー名」を工夫することも重要です。