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Column206.「ウルトラマン」に関するエトセトラ

Column174.では「ゴジラ」についてご紹介しましたが、日本の巨大特撮作品において、もう一方の代表格といえるのが「ウルトラマン」です。

2026年7月、「ウルトラマン」シリーズは60周年を迎えます。
1966年7月10日、テレビで初めてウルトラマンがお披露目されたことにちなみ、この日は「ウルトラマンの日」として、日本記念日協会にも認定されています。

今回は、そんな長い歴史を持つ「ウルトラマン」にまつわるネーミングについてご紹介します。

※歴史の長いシリーズであるため、今回も伝聞によるものなど不確かな情報もございます。あらかじめご了承ください。

「ウルトラマン」シリーズではなく、「ウルトラ」シリーズだった

「ウルトラマン」は、「仮面ライダー」や「PROJECT R.E.D.(スーパー戦隊の後継シリーズ)」などと並ぶ特撮シリーズとして認識されている方も多いと思います。
しかし当初は、前番組の『ウルトラQ』から続く「ウルトラ」シリーズとして位置づけられていました。なお、『ウルトラQ』にはウルトラマンは登場しません。

1967年に放送された『ウルトラセブン』も、この「ウルトラ」シリーズの一作として扱われています。
タイトルが『ウルトラ“マン”セブン』ではないのは、あくまでも「ウルトラ」シリーズとして展開されていたためと考えられます。

その後、1972年には『ウルトラA(エース)』が企画されますが、同時期に「怪傑透明ウルトラエース」というソフビ人形が発売されていたことから、放送開始直前に『ウルトラマンA(エース)』へと改題されました。

この出来事をきっかけに、以降のシリーズでは「ウルトラマン○○」というタイトルが定着していきます。
商標戦略の観点から見ても、識別力の弱い「ウルトラ」より、すでにブランドとして確立していた「ウルトラマン」を冠したほうが、シリーズ展開しやすかったのではないでしょうか。

初代ウルトラマンの本名は?

「ティガ」「ゼロ」「テオ」など、現在ではさまざまな名前を持つウルトラマンが登場しています。
一方で、初代の「ウルトラマン」には、固有の名前は設定されていません。

ちなみに、1971年に放送された『帰ってきたウルトラマン』に登場するウルトラマンにも、放送当時は固有名がありませんでした。
劇中でも基本的には「ウルトラマン」と呼ばれていましたが、この時点で、初代ウルトラマンとは別の存在として設定されています。

後年になって、このウルトラマンには「ウルトラマンジャック」という固有名称が設定されました。
ファンの間では「新マン」「帰マン」などとも呼ばれてきた存在ですが、正式名称が後から付与されたという点は、ネーミングの歴史としても興味深いところです。

当初の設定は「M87星雲」出身だった

初代のウルトラマンの出身地といえば「M78星雲」として知られていますが、もともとは、地球から約5,400万光年離れた実在の銀河である「M87星雲」出身と設定されていたと言われています。

しかし、台本の印刷時に数字が入れ替わり、「M78星雲」になったという説があります。
いわば“誤植”から生まれたネーミングが、そのままシリーズを象徴する言葉として定着したわけです。

ちなみに、2022年公開の映画『シン・ウルトラマン』の主題歌は、米津玄師さんの「M八七」です。
これは誤りではなく、初期設定へのオマージュと考えられています。

「最後」の怪獣が2匹いる

第1作『ウルトラマン』の最終話に登場する怪獣として有名なのが「ゼットン」です。
「ゼットン」という名前は、アルファベットの最後の文字である「Z」と、五十音の最後の音である「ン」を組み合わせたものとされています。
まさに「最後の怪獣」にふさわしい、非常に秀逸なネーミングです。

ところで、『ウルトラマン』最終話のひとつ前のエピソードには、「サイゴ」という怪獣が登場します。
この名前は、「最後に作られた着ぐるみ」であることに由来すると言われています。

実際には、ゼットンの着ぐるみのほうが先に作られており、サイゴは本来予定になかったものが急遽作られたそうです。
つまり、『ウルトラマン』には、物語上の「最後」を担うゼットンと、制作上の「最後」から名づけられたサイゴという、2匹の“最後の怪獣”が存在しているのです。