■漢字の魅力
ネーミングを開発する際、日本語を使用したネーミングは聞きなじみのない他言語のネーミングに比べ意味想起がしやすく、中でも見慣れた漢字は一文字であっても“イメージが浮かびやすい”といったメリットを持っています。
例えば「極」という漢字ですが、「究極」「至極」「極限」などのイメージが浮かび、「何だかすごそう」という期待感も与える事ができます。このように漢字は文字数に比べて情報量が多い事が大きなメリットといえるでしょう。
漢字を４つ並べた四字熟語は背景となる物語やいわれがある場合、意味合いが明確であり、意思伝達の助けとなります。またその特長を生かして、業界を問わずに、多くの登録商標がみられます。
| 春夏秋冬 【（株）中村屋：33類（日本酒、等）、30類（菓子、等）他類登録有り】 晴耕雨読 【（有）佐多宗二商店：33類（日本酒、等）他複数社登録有り】 才色兼備 【フォルティス・アセットマネジメント（株）：36類（保険、等）】 一期一会 【（株）祥伝社：26類（印刷物）他複数社登録有り】 天下一品 【（株）天一食品商事：42類（飲食物の提供）他類、他複数社登録有り】 一球入魂 【美津濃（株）：25類（被服、等）他複数社登録有り】 |
■ネーミングとしての漢字
ネーミングの世界では、本来ある四字熟語をもじるなど工夫されているものも多くあります。言葉の響きとしては聞きなじみがあり覚えられやすく、尚かつもじる事でオリジナリティが生まれ、より商品特長が伝わるように表現されています。
| 春夏秋湯 【日本酵素薬品（株）：１類（化学品、等）他類登録有り】 菜食健美 【オハヨ－乳業（株）：30類（菓子、等）他複数社登録有り】 喜々一発 【（株）高研：９類（シミュレータ、等）他複数社登録有り】 通勤快足 【（株）レナウン：25類（被服、等）他類、他複数社登録有り】 休足時間 【ライオン（株）：３類（化粧品、等）、５類（薬剤、等）他類登録有り】 一豆乳魂 【（有）岡村：29類（豆乳）】 |
四字熟語の中にはごく一般的に使用されるものであっても、他社が商標登録を行っている場合、使用する事は不可能です。自社の知的財産権の保護も当然ですが、他社への権利侵害等に対しても気をつける必要があります。ネーミングはもちろんの事、商品パッケージ内やショルダーコピーなどで四字熟語を使用される際には商標チェックを行う事をおすすめします。