ネーミングの造語方式のなかでも、企業名や団体名、技術名などで多く見受けられる手法の中に
“頭文字由来のネーミング”があります。
その中でもさらに細かく手法がわかれていることはご存知でしょうか 。
今回は頭文字由来ネーミングの種類と特徴を事例も交えてご紹介させていただきます。
「頭文字型」のネーミングには“アクロニム”と“イニシャリズム”、そしてアクロニムの派生語として
“ バクロニウム ” の 3パターンに分かれます。
アクロニム
複数の単語の頭文字を繋げて、ひとつの単語のように発音する手法です。
特徴 →新しい単語として読める、愛称的で読みやすい、覚えやすく親しみやすい、
独自性が生まれやすい、ブランド化しやすい。
例
・NASA (National Aeronautics and Space Administration): アメリカ航空宇宙局
・NEXCO (Nippon Expressway Company Limited):高速道路会社
・ZAQ (Zone Access & Quality):ケーブルインターネット接続サービス
・IKEA (Ingvar Kamprad Elmtaryd Agunnaryd):家具量販店
イニシャリズム
複数の単語の頭文字を、それぞれ一字ずつアルファベット名で発音する手法です。
特徴 →読み間違いがない、略語であることが伝わりやすい、信頼性や権威性を感じさせやすい、
分野や公的・専門的な団体としての親和性が高い
例
・NTT (Nippon Telegraph and Telephone Corporation):通信キャリア
・SMBC (Sumitomo Mitsui Banking Corporation):三井住友フィナンシャルグループ
・IBM (International Business Machines Corporation):ITサービス会社
バクロニウム
BACKとACRONYMを組み合わせた造語で、もともと意味を持たない文字列に、後から意味を付け加える手法です。
本来の由来を後から変更・再定義したり、肉付けしたりするケースもこれに含まれます。
特徴 →社内愛称やコードネームなどの意味づけに便利、ストーリー性や説得力を付加できる、
語感や響き重視で先にネーミングしやすい
後付け例
・SOS(save our ship(あるいは souls)):遭難信号
モールス符号として打ちやすい文字列という理由で【SOS】が使用されていましたが、
本来は意味を持っていません。しかし今では、しばしば「save our ship(souls)」といった風に
後付けで解釈されています。
変更例(再定義)
・RAV4/トヨタSUV車
初代(1994年発売)から4代目までは「Recreational Active Vehicle 4Wheel Drive」の頭文字に
由来していましたが、2019年発売の5代目からは「Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel Drive」へと
変更されています。
・VAIO/PCメーカー
1996年の発売当時は「Video Audio Integrated Operation」でしたが、2008年7月以降は「Visual Audio
Intelligent Organizer」に変更されています。
意味の肉付け例
・Suica (Super Urban Intelligent CArd):交通系ICカード
JR東日本が発行する「Suica」は「Super Urban Intelligent Card」が由来ですが、
「スイスイ行けるICカード」や果実のスイカにも掛けたトリプルミーニングです。
またJR西日本の「ICOCA」も同様で、「IC Operating Card」が由来となり、関西弁の「行こか」
ともかけています。
・A.R.E. (「Aim」「Respect」「Empower」):2023年の阪神タイガースのチームスローガン
阪神タイガースの当時の監督である岡田氏が、「優勝」というキーワードを出すと選手が緊張するので、
「優勝」と言わずに「アレ」と表現し始めたのが由来です。その後、球団が「優勝という目標に向かって
チームとして邁進していく意思」を込めて「A.R.E.」を2023年のスローガンにしました。
NNRでは、頭文字型ネーミングの開発はもちろん、既存ネーミングの意味づけの変更のお手伝いもしております。