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VOL.14
(1998.03)
商品パッケージデザインの保護について
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製品のデザインは意匠権でプロテクト。ではラベルや缶のデザインは?
1.缶やラベルのデザインは何でプロテクトするべきか
商品によって各社それぞれの個性で表現される缶やラベルのデザイン。しかし訴求するポイントが似通っていれば、当然似たデザインになることもあります。そんな時、問題になるのがそのデザインの権利問題です。商品そのものの形状のデザインであれば意匠登録などによって保護することができますが、商品の目印となる缶やラベルのデザインは意匠には該当しません。こういう場合は商標の範疇となります。
2.意匠と商標の違いについて
意匠とは「物品の形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」。それに対して商標はたとえばキューピーの人形のマーク、金鳥のにわとりのマークなど、商品やサービスの目印となるものです。またそれぞれの権利が効力を発揮する期間は、意匠が15年であるのに対し、商標は10年ごとの更新で半永久的に権利を保持することができます。
3.商標の種類
商標の種類には、文字・図形・記号・立体の形状などがあります。缶やラベルの図柄のデザインは図形商標や立体商標によってプロテクトされると言えます。図形商標は上記にあげたキューピーや金鳥のマークのように、ひとつの図柄からなるものと、日本酒のラベルのように文字や図柄を含んだラベル全体を登録する「ラベル商標」などがあります。
保護したいデザインの範囲があくまでひとつのマークだけなのか、それともパッケージやラベル全体なのかを考慮する必要があります。
また、平成9年の商標法改正により、従来は平面的なものに限られていた商標が、立体的なものも認められるようになりました。立体的な商標とは、店頭のPR用人形(例えばケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダース人形)や自動車のエンブレムなどです。
立体商標は、その商品の形状自体に独自性がなくても、そのラベルやパッケージに識別力のある図形要素があれば、立体商標として出願・登録ができます。
4.商品ネーミング(文字商標)との関連性
図形商標で権利をとったとしても、文字商標が不要なわけではありません。図形商標でプロテクトできるのは、あくまで図形的要素だけで、その図形に含まれる文字については文字商標の範囲になります。図形商標で権利を取得された場合は、デザインのリニューアルなどで図形が変わった時にはその時点で商標も見直す必要があります。
以上のようなことから、御社がお持ちの商品の図形などが他社の商標権を侵害していないかを商標調査し、特に類似がなければ出願・登録されることをおすすめします。
●図形商標調査のスケジュールは通常、依頼日から約1週間〜10日間です。
図形商標調査の結果、その図形が他社商標とのバッティングがなく、商標登録可能であるとの判断がされれば、今度は出願の手続きとなります。
出願以降の業務については当社の顧問弁理士事務所をご紹介いたします。 なお、商標出願から登録までに約2年を要します。費用は出願時、登録時トータルで約21万円になります。
◆ラベルデザイン係争事例
事例1:「カップめん」におけるラベルデザインの類似
平成7年、原告側から被告のカップめんのラベルデザインが類似するとの訴えがありましたが、和解にいたりました。
事例2:「缶ビール」におけるデザインの類似
平成8年、原告側から被告のビール缶のデザインが類似との訴えがありましたが、和解にいたりました。
事例3:「カップ入り日本酒」におけるラベルデザインの類似
平成9年、原告側から被告のカップ酒のラベルデザインが類似するとの訴えがありましたが、「両表示は類似しない」として請求が棄却されました
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