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VOL.16 (1998.08)
「軽涼スーツ」ネーミング使えません?


一般名称は商標登録できないか?

■ 一般名称と思われるネーミングでも、 商標登録されることで一社の占有となることもあります

最近、紳士服業界でヒット商品になっている「軽涼スーツ」。この呼び名の「軽涼」を紳士服チェーン王手のコナカが商標登録したことから、同じ名称を使っている他のメーカーや小売店などが、大慌てで新しい呼び名を考えるなど、対応に追われるという事例がありました。(新聞記事より)
このスーツは、通常の夏用スーツより2割ほど軽いのが特長。四、五年前から出回っており、「軽涼スーツ」の名称も定着していました。ところが、紳士服チェーンのコナカが申請していた「軽涼」の商標登録が、1997年の7月に認められ、今夏の商戦から「軽涼」の表示は同社が独占できるようになりました。 これに慌てたのが、同業者や百貨店。紳士服チェーン最大手の青山商事も、これまで「軽涼スーツ」の呼び名を使い、97年は前年の2.5倍の売り上げ。今年は前年比15%増の23万着を見込んでおり、今夏はワコールが持っていた「清涼」の商標権を借りて「清涼スーツ」に改称しました。
百貨店でも、大丸が「クール・アンド・ライト」そごうが「ライト・アンド・クール」など、涼しいスーツのイメージに合わせた名前を考案しています。高島屋は「特別の名称は使わず『軽くて涼しいタイプです』と売場で説明している」ということです。 一方、コナカは、「法に沿って手続きを踏んでおり、他社の動きは気にしていない」とクールな反応。特許庁商標課も「これまでは一般的に使っていた名称だったとしても、法に基づいて商標権を得た場合は、占有が認められる」と、コナカに軍配を上げています。

■ 商標の登録性と今後の対応について

上記の事例でも見られるように、一見一般名称のようで、誰が使っても良いと思われるネーミングでも、その商標分類で登録性があると認められ、他社の類似商標がなければ商標登録される可能性があります。商標登録されてしまうと、一社の独占となり、他社は使用を中止するか、商標権者に交渉してレンタル使用するかになります。 問題は商標法において、どこまでが一般名称で、どこからが商標登録性があるかということです。これはかなり微妙なニュアンスの問題ですが、一般論としては、そのネーミングがその商標分類において、他のネーミングと識別性があるか、または顕著性があるかということになります。この判断は大変難しく、専門家である弁理士でも、すぐに断定することができない程です。ただ参考としては、あるジャンルでは識別性がないネーミングでも他のジャンルでは識別性が認められる場合があります。例えば、菓子・パンの分類では「ガム」は商品の一般名称なので、登録は困難ですが、同じ発音の「GUM」が歯磨きの分野では登録性が認められるという例があります。
このように、商標にとって、何が一般名称であるかを判断するのは大変困難です。対応策としては、業界などでよく使われていて、一般名称化しているネーミングでも、すぐに判断せず、他社の類似がなければ、こまめに商標出願をされることをおすすめします。その結果、商標登録性が認めなければ、どこが使用しても良いことになりますし、商標登録されれば、そのネーミングは貴社の占有となり、他社の使用を差し止めすることも可能となります。

■ 一般名称的な登録商標の例

●カフェラッテ(飲料) ●糸ようじ(歯間ブラシ) ●ウメッシュ(梅酒) ●メジャー(缶コーヒー)

■ 登録性のないネーミングの例

●レーザーディスク  
※あらゆる商標の問題についてご相談ください。弊社の顧問弁理士と相談の上、アドバイスいたします 。

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