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VOL.26
(2000.04)
ドメイン名と商標の関係
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商標・社名を使用するドメイン名の問題
ドメイン名は各国のNIC(Network Information Center)などにより管理されてきました。その割り当ては原則として申請順であり、「早い者勝ち」となっています。
関係のない他社がドメイン名として、有名企業の社名や商標を先行登録している場合、 その有名企業自身は、同一のドメイン名を登録することはできません。
その結果、同じ「○○」がドメイン名ではA社、商標ではB社、商号ではC社と、それぞれ分かれてしまうケースがあります。 例えば、日本でも、matsuzakaya.co.jpというドメイン名が、百貨店の松坂屋以外の企業に登録されたり、ある企業がkatokichi.co.jpというドメイン名を取得し、食品メーカー加ト吉がドメイン名の買取要求を受けこれを拒絶したという事件があります(1997年1月)。
■ ドメイン名は商標権を侵害するのか?
商標法との関係では、(ドメイン名をブラウザに表示させる程度であれば)手紙の宛名や電話番号の表示と同様のものにすぎず、ドメイン名に使っても侵害にならないとする見解があります。
米国では商標権を取得しておくことが、他社にドメイン名を取得された場合の対抗措置となり得るとの判断から、38類を中心に商標出願が急増しました。
また米国特許商標庁(USPTO)は(ドメイン名は商標の使用に該当する)ガイドラインを公表しています(1996年2月12日)。1998年夏、アドレス管理のための国際的な民間非営利組織「ICANN」が創設され、ドメイン名紛争についてはWIPO(世界知的所有権機関)の仲裁調停センターに委ねるという方式が採択されています。
■ 商標権とドメイン名の保護
ドメイン名が紛争になる場合には、(他人の著名な商標などを不正な目的で利用するケースに対して)不正競争防止法により差止請求や損害賠償請求を認められるべきだと考えられます。商標権侵害だと考えられるケースは、ドメイン名だけでなくコンテンツの中の商品やサービスに関して、商標の使用が確認された場合に限られてくると思われます。
これらの点については、まだ日本では判例が出ていません。現段階では自社のビジネスをプロテクトするために、ドメイン名を商標登録する事が重要です。またそのドメイン名に関連する商品やサービスの商標分類で商標権を取得することが得策だと考えます。
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