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VOL.34 (2001.08)
「iMac」と「e-one」,「こくまろカレー」と「とろけるカレー」
商標法と不正競争防止法の関係?


■「iMac」と「e-one」のケース
99年9月20日アップルとソーテックの紛争のケース。 カラー、デザイン、半透明の素材などで酷似しており、誤認混同のおそれがあるとの理由により東京地方裁判所が「e-one」の製造・販売中止の仮処分を決定しました。 この判決は従来に比べて不正競争防止法の網を広げる判断であったと思われます。 先に製品を作った人や会社の権利を広い範囲で守っていくという考え方が示されたと考えられるからです。

■「こくまろカレー」と「とろけるカレー」のケースでは?
不正競争防止法を理由にしたケース。5月31日、ハウス食品はヱスビー食品の「とろけるカレー」のパッケージがハウス食品の「こくまろカレー」に似ており、誤認混同を生じさせるとして、パッケージデザインの差し止めを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。 パッケージデザインは字体、文字の色、容器、キャッチコピー、パッケージの配色、文字位置、表記文字(ひらがな)など様々な要素から類似しているかどうか、誤認混同を生じさせるかどうかが判断されます。 従来のケースであれば、今回のパッケージデザインは類似せず、誤認混同を生じさせるおそれはないと判断される可能性が高いと考えられますが、近年の不正競争防止法の網を広げる判例の傾向の中で今回どのような判断が下されるかが注目されます。

■商標法と不正競争防止法について
商標法では、ハウス食品「こくまろカレー」とヱスビー食品「とろけるカレー」の文字部分は非類似と考えられ、両方とも商標登録されています。 しかし、商標登録されているネーミングを使用していても、パッケージデザインなどが類似しており、一般の人に誤認混同を生じさせるおそれがある場合は、不正競争防止法に該当します。 他社から不正競争防止法で訴えられることを回避し、パッケージデザインを安心して使用するためには、商品のネーミングのほかに、パッケージデザインについても商標登録しておくという方法があります。また、他社のパッケージと紛らわしいパッケージデザインは意識的に避ける等の配慮も必要でしょう。 上記ハウス食品とヱスビー食品の判決の行方によっては、今後ネーミングを含めたパッケージデザイン全体の在り方を考えていく必要があると思われます。


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