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VOL.43
(2002.08)
A+B型の商標とB+A型は類似・非類似?
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ネーミングでよくあるカタチとして2つの単語からなるパターンがあります。
たとえば、A+B=ABのカタチ(例A+B:ホワイト・タイガー)
それをひっくり返したカタチの B+A=BA(例B+A:タイガー・ホワイト)など。
さて、この二つのネーミング、類似でしょうか、非類似でしょうか?
■商標の原則としては、
商標権は自他商品の識別力を有するものでなければ認められません。 したがって、同じ商品・サービス内容であれば、呼称や外観・観念などが似ていると、原則として商標登録できない事になっています。
今回のA+B、B+Aのネーミングの場合、商標類似の基本となる呼称類似には当てはまらないため、基本的には非類似の判定となります。
ただネーミングによってはAとBをひっくり返しただけでは観念が似てくる場合が出てくるので、その場合は類似と判定されることもあります。以下に実際の審決例を見てみましょう。
■審決例1:
「開運大吉」と「大吉開運」の場合 商標法ではA+BとB+Aの違いであれば、非類似と判断されるケースが多いと思われます。しかし、過去に平成9年の審決例で「開運大吉」と「大吉開運」で類似の判定がありました。
この場合は「開運」と「大吉」がともに、おめでたい・幸運の意味を持ち、順番がいれかわっても、両者から受ける印象(観念)が類似するとして後に出願された「大吉開運」側が特許庁から拒絶査定の結果となっています。
■審決例2:
「クラブフィールド」と「フィールドクラブ」の場合 平成9年の審決例で登録商標「フィールドクラブ」に対して新たに出願された「クラブフィールド」に関して、類似であるとして登録拒絶査定の審決がおりました。
この例では「クラブ」の用語が様々な商標で「同好会」「社交会」を意味する言葉として使用されており、実際に○○クラブやクラブ○○といったカタチで頻繁に使用されている事実がある。
また「フィールド」も「野原」「分野」などを意味するよく知られた英単語にすぎない。 以上の観点から両者は類似であるという審決にいたったようです。
■類似・非類似の基準は
前記の審決例ではともに両者類似であるとして後者の出願は拒絶されています。 それでは、A+B及びB+Aの商標では何をもって類似・非類似を判定しているのでしょうか。
前記したとおり、商標の原則としては特に観念の類似がない限り、呼称が類似していなければ、非類似と判定されるケースが多いようです。
例えば冒頭であげた「ホワイトタイガー」と「タイガーホワイト」の場合、実際の審決例がないので確証はありませんが、ポイントのひとつとしてホワイトタイガーを構成する2語の結合力が強いことが指摘できます。
このような場合、2語の結合力が強いため順番を変えれば、別の意味のネーミングになるので類似になりにくいともいえます。しかし、A+BとB+Aの判定でははっきりした基準がないのが現状といえます。
A+Bの登録商標が存在して、その後にB+Aの商標を使用する場合は事前の調査が不可欠といえるでしょう。
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