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VOL.50
(2003.05)
ノベルティの商標について
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■ノベルティに該当する商品とは
ノベルティとは販売促進用物品という意味であり、略して販促品ともよばれています。 本来の商品として販売される商品ではなく、宣伝広告や販売促進のために、無償で配付される物品に限られます。
例えば、自動車等の販売の際に無償で配付されるTシャツ、帽子、キーホルダー等や保険の勧誘に配付されるメモ帳、ボールペン等がそれにあたります。
■ノベルティの商品名は商標権の侵害になるのか？
商標権の侵害行為とは商標権者以外の者が、他人の登録商標と同一または類似の商標を同じか類似する商品・サービスについて使用することです。
また商標法上の商品とは、有償取引の目的物であるかが重要な基準となります。 ノベルティは無償配付物であり、商標法上の商品に該当しないことから、商標権の侵害をしないという考えになります。
■ノベルティについての判例
楽器の製造会社のＡ社の商標「BOSS」を楽器自体に付して販売するとともに、ノベルティとしてTシャツ、トレーナ等に使用し無償で配付しました。
被服・布製身回品での商標権の取得企業B社が、商標権侵害に当たるとして損害の賠償を求めましたが、判決は請求棄却になりました。
理由として、｢BOSS」商標を付したTシャツ等は楽器の宣伝広告及び、販売促進用の物品（ノベルティ）として、無償配布をしているにすぎず、侵害するものではないとなりました。
■特殊なケースも考えられるノベルティ商品
上記のように通常のノベルティと認知できるものは商標権の侵害にはなりません。
しかしノベルティの配付によって、周知・著名商標の希釈化の問題が発生したり、出所混同による損害が発生したような場合は不正競争防止法や、民法上の不法行為責任の問題が生じるケースもあると考えられます。
このようなケースを避けるために、ノベルティの場合でも事前に弁理士の商標調査をお薦めします。
■ノベルティのまとめ
●ノベルティとは、販売促進用物品と考えられる
●ノベルティは、商標法上の商品とは評価されないと考えられる
●ノベルティに登録商標を付しても商標権侵害にならないと考えられる
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