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VOL.51
(2003.06)
商標『リナックス/Linux』印刷物の分野で登録無効に
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商標「リナックス/Linux」の指定商品中、印刷物について商標法(4条1項15号)違反にあたるとして登録を無効とするとした判決が下されました。
※平成14年4月東京高裁
■判決の要旨
A社は「リナックス/Linux」を二段書きにした商標を印刷物の第16類に属する商品に指定して平成11年12月に登録を受けています。これに対しB社は本件商標の商標権者のA社に対し本件商標の無効審判を請求しました(平成12年6月)。
この結果、本件登録の指定商品中「印刷物」についての登録を無効とし、その他の指定商品については審判請求は成り立たないという判決が下されました(平成13年8月)。A社は、これを不服として提訴しましたが東京高裁はA社の主張を認めず登録を無効とする判決をしました。(平成14年4月)
B社「Linux」はリーナス・トーパルズにより開発されたコンピュータのオペレーションシステム(OS)を表示するものとして(A社「リナックス/Linux」の登録出願時には)、既に世界各国で周知・著名な商標となっていたことが認められています。このため、A社「リナックス/Linux」を印刷物について使用した場合、これに接する人々はB社リーナス・トーパルズの「Linux」を想起し、組織的もしくは経済的に何らかの関係があるかのように誤認し、その商品の出所について混同を生じるおそれがあるというものです。
■著名商標とは
著名商標とは、「PANASONIC」や「SONY」などのようにその名称が限られた一分野にとどまらず広くユーザーに周知されている商標を言います。有名な商標は長年の独占的な使用などによって認知されたものや、マスメディアの発達によりTVCMなどで急速に周知性を獲得したものもあります。このような著名商標になると商標出願していない分野での他社による著名商標の使用も不正競争防止法などで使用の差し止めが可能になります。また上記のように既に登録されている商標でも著名商標と類似していると、登録無効となるケースもあります。
■著名商標の基準は
著名商標として認められるための明確な基準はありません。著名商標として認められるかどうかは、生産高、販売高、業界におけるシェアなどから総合的に判断されます。
特許庁では現在約860件の商標を著名商標としてホームページに掲載しており、商標の類似判断の際には基準のひとつとなっています。
■今後の課題と注意点
上記の例のように、全国的に著名である商標に関しては、たとえ他の商標ジャンルであってもフリーライドとして扱われるため注意が必要です。また前記のような著名商標と同一のものだけでなく、例えば商標中にLinux○○や○○Linuxというような部分的に使用するものや、LENUXのようにLINUXと類似すると思われる商標も登録が不可となる可能性があります。いずれにせよ、著名商標と類似するかどうかは専門家による判断が必要となります。NNRでは商標を専門とする弁理士事務所と提携しており、いつでもご相談に応じることができます。
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