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VOL.54 (2004.2)
鮮魚に商標登録ブーム
■【関サバ】【関アジ】がブームのきっかけ
1997年に大分県の佐賀関町漁協が漁協のロゴマークを商標登録し、「関サバ」・「関アジ」をブランドとして展開したことからブームが起こりました。しっかりと身が締まり、脂ののったこれらの商品は一躍、高級魚としての指名買いを得ることができるようになりました。その裏には消費者の本物志向があり、安全なもの、美味しいものを食べたいという基本的な欲求が強くなっていると考えられます。

■商標登録の実情
サバだけでも、ときさば、紀さば、鬼鯖、岬さばなどが商標登録されています。アジを見ると、とろあじ、玄あじ、祭りあじ、伊達あじ、紀あじ、岬あじなどが見受けられます。
新潟県の糸魚川漁業協同組合が2001年に甘エビのブランドとして「ひすい娘」を商標登録しました(登録第4507499号)。このようにさまざまな分野での魚類ブランドの商標登録が進んでいます。

■上海ガニも有名ブランド化
おとなりの中国でも秋になると上海ガニが話題になります。日本でもグルメブームに乗ってこのカニを食べるために、上海まで足を伸ばす人が少なくありません。上海ガニといえば、陽澄湖産のものが最上級品として有名ですが、このブームに目を付けた一部の人々が陽澄湖産と偽って、他の地方のカニを出荷することが横行しています。そこで中国国家機関である国家質量監督検疫検験総局の検査に合格したものだけを、陽澄湖ブランドとして認め、原産地証明シールを貼り付けた上海ガニが出荷されるようになりました。

■単に地名に、アジやサバをつけただけでは登録できない
他の商標分類と同じように、単に地名にアジやサバをつけ、○○アジ、○○サバとしても第29類の水産物の範囲では商標登録はなされません。神戸牛や松阪牛のように他の畜産・農産物でも同じことがいえます。ネーミングにはオリジナリティのある言葉を使用することが重要です。

■お米や野菜、牛肉なども商標登録ができます
海老芋や壬生菜、九条ネギと言えばすぐに京野菜をイメージすることができます。
しかし最近では京都府以外の地域でも、これらの野菜を栽培していることがあります。
商標法においては、一定の事業協同組合であれば、その組合員のみが使用する商標について団体商標を取得する方法もありますので、力を合わせて地場産業のアイデンティティを守ることが重要だと考えます。
NNRでは、商標調査に強い弁理士とともに、皆様のご相談をお受けいたします。


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