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VOL.61
(2005.1)
楽天ゴールデンイーグルス VS.ライブドアイーグルズは類似? |
プロ野球に新規参入を表明していた楽天とライブドアが商標出願でもトラブル。
2004年10月22日に楽天が球団名を東北楽天ゴールデンイーグルスと発表すると、ライブドアが1日前の10月21日にlivedoorイーグルズを商標出願していたことが判明しました。
■これまでの概要
楽天は2004年10月22日、プロ野球への新規参入を認められた場合の新チーム名を「東北楽天ゴールデンイーグルス」(通称・楽天イーグルス)にすると発表しました。しかしライバルのライブドアが「livedoorイーグルズ」の商標登録を21日に、特許庁に出願済みだったことがわかりました。商標法では類似とみなされた場合、先に出願した方が優先されます。特許庁のホームページで「楽天イーグルス」の出願データを検索すると、出願日は2004年10月22日となっています。つまりライブドアのほうが出願は1日早いので、「livedoorイーグルズ」が商標登録され、「楽天イーグルス」が類似と判断されると商標法的には「楽天イーグルス」が使用できない可能性がでてきます。
ゴールデンイーグルは英語でイヌワシ。東北地方に生息する国の天然記念物にちなんだものということです。一方、ライブドアは球団名をインターネットで公募。上位だった「イーグルズ」など10件を21日に出願し、この中からチーム名を選ぶ投票をネット上で呼びかけていました。楽天の広報担当者は「ライブドアの出願は指摘されるまで知らなかった。特許庁の判断を待って対応を考えたい」としています。
■「楽天イーグルス」と「livedoorイーグルズ」は類似か?
ここでポイントとなるのがこのネーミングが一連の商標として判断されるのか、それとも分離して判断されるのかということです。長いネーミングなどは、言葉の切れ目で分離して判断されることがよくあります。また漢字とカタカナや、英語とカタカナなどの造語の場合、見た目にも印象が変わるので分離判断される可能性は高くなります。一連としてそれぞれ「楽天イーグルス」と「livedoorイーグルズ」として判断されるのなら類似の可能性は低いと思われます。しかし「楽天」や「livedoor」を分離して考えると「イーグルス」と「イーグルズ」となり、違いが一音でしかも「ス」と「ズ」と濁音の有無のみの違いになるので類似の可能性は高くなると考えられます。最終的には特許庁の審査官の判断となりますが、どちらに軍配があがるのか興味深い問題といえるでしょう。
※過去の特許庁の審査においては、アメリカメジャーリーグやNBA等のチーム名称はたとえ略称で称呼されることがあったとしても一連で捉えられていることが多いようです。
■日本の商標は先願主義
日本の商標法では先願主義といって、一日でも早く出願した企業や個人が商標の権利を得ることができます。それに対してアメリカやカナダなどのように使用の実績に基づいて権利が発生するのを先使用主義といいます。日本の場合では、いかに先にネーミングの使用実績があっても商標出願・登録しないと権利が認められません、したがってネーミング決定後はスピーディーに商標出願をすることをおすすめします。
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