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VOL.65
(2005.5)
第三のビールとネーミングの関係
【スーパードライ】はビール。 では 【スーパーブルー】は・・・・ |
■第三のビールが健闘中
ビールでもない、発泡酒でもない、ビール風味飲料という第三のカテゴリー商品がよく売れています。発泡酒よりさらに酒税が安いため低価格で販売でき、また麦芽以外の材料を使用することにより、ビールや発泡酒にない個性を発揮しています。先鞭をつけたのは、2004年に発売されたサッポロビールの【ドラフトワン】で、その原料にはエンドウ豆が使用されています。その他ではアサヒビールが【新生】、キリンビールが【のどごし生】、サントリーが【スーパーブルー】を発売しています。
■商品カテゴリー(類似群コード)は微妙に違うけれど
ビールの商標分類は第32類で、リキュールは第33類に属しますが、旧分類の関係上、類似群コードは、28A02と同じになります。またメーカーによっては、該当する類似群コードだけではなく、その分類すべてに商標登録するケースも多いので、シビアにチェックしておく必要があります。
■顕著性の無いワードのネーミングへの使用
アサヒビールの【スーパードライ】の商標出願時には、単に味わいを示す品質表示であるとして却下されました。しかしアサヒビールは大量の広告展開やシェアの拡大を背景に、再出願を続け、約10年後に商標登録が認められました。これは長年の使用実績による登録の例と言えます。
また、【スーパーブルー】は2004年8月に商標出願をされています。通常の考え方では、「極上の、すばらしい」といった品質の等級を示す「スーパー」と、色を表す「ブルー」の組合せですから、登録は認められにくいと思われます。しかしこの出願の動きも、TVコマーシャルなどの広告展開を含め、使用実績による商標取得を狙っていると考えられます。
■あえて【スーパー】という単語を使用したネーミング?
ご存じのように【スーパードライ】は、アサヒビールがキリンビールを抜き、トップシェアをとる原動力になった商品で、現在も大きなパワーを持っています。【スーパードライ】は商標登録されたので他社が使用することはできませんが、【スーパー】は顕著性が強くなく、一社の独占が認められにくい言葉です。【スーパーブルー】はフリーライドとは言えませんが、よく似た商品名をつけ、あえてビールと同じ土俵で戦わせる戦略は、かなり奥深いものと感じさせます。
消費者は、その商品がどこのメーカーのものか、すぐには認知できないケースも多いと思われます。顕著性のない言葉を商品名に使用した場合には、他社に対する禁止権がないので、このような問題が起こりえることを予測しておかねばなりません。
NNRでは商標問題に強い弁理士とともにみなさんの質問をお待ちしております。
どうぞお気軽にご相談ください。
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