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VOL.103 (2010.04)
「コーヒー豆名は商標」、エチオピア政府が勝訴
エチオピア産のコーヒー豆「シダモ」「イルガッチェフェ」は、商標か、産地名かであらそわれていた訴訟の判決が知財高裁であった。

■経緯
2006年 エチオピア政府が「シダモ」「イルガッチェフェ」の2件を日本国内で商標登録
2007年 これらの商標登録に対し、全日本コーヒー協会が商標を無効とする審判を請求
2009年 特許庁はこの請求を認め、これら2件の商標登録の無効を審決
この審決に対し、エチオピア政府が協会を相手に提訴

2010年、知財高裁で裁判長は「我が国では地名ではなく、銘柄として認識されている」として、それぞれの地域で生産されたコーヒー豆の商品については、エチオピア政府の商標登録性を認めた。 また一方で「二つの地域以外のコーヒー豆にこれらの名称を使用した場合には、商品の品質誤認を生じさせる恐れがある」として、その二つの地域以外のコーヒー豆については、登録を無効と判断した。

■地域名の商標
日本では商品の産地や販売地などは「記述的商標」として、識別力がない(登録性がない)商標とされる。北海道(バター)、静岡(お茶)、新潟(お米)など

■地域名であっても商標登録が認められるケース
(1)長年の使用実績
地域名なので、商標として識別力がなくても、使用し続けることで商標としての著名性が高まり、商標登録を認められる事がある。
神戸コロッケ(ロックフィールド)、ジョージア(コカコーラ)など
(2)地域団体商標
地域名+商品(役務)からなる商標は、法人格を持つ事業協同組合などの出願に限り、2006年4月から商標登録が認められるようになった。 松坂牛、関あじ、京友禅、泉州タオル、城崎温泉、和歌山ラーメンなど、登録は数百件に上る。



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