News Letter

VOL.118 海外市場へと販売の流れが加速

米国についで、世界のNO.2の座を争っていた日本企業が、いつの間にか世界中の企業に追いつかれ、追い抜かれようとしています(現在のGDPは中国に抜かれ世界3位)。
外国企業との違いを分析していくと、海外での販売比率の低さが上げられることから、その海外シェアを上げようとして多くの企業トップが舵を切ろうとしています。
新聞紙上にも見られるように、商品企画や生産の現地化はもちろん、リクルートや社員教育までもグローバルな展開を前面に押し出していく企業が増えています。

■商品名のグローバル化
ネーミングやブランドは世界統一の傾向かといえば、必ずしもそうは言えません。
世界的な食品企業のネスレでも、7,000を超える商品ネーミングのうち、コーポレートブランドと呼ばれる世界統一ブランドはネスカフェ、マギー、ブイトーニなどひとけただけです。その他は、多くの地域ブランドや国別ブランドをもち、しっかりしたコンセプトの元で運用されています。
日本企業においてもホンダのアコードのように、米国ではアキュラと別名で展開しているケースも見受けられます。

■アメリカやEUへの展開
ネーミングの展開は、商品の特性によって、さまざまなケースが見受けられます。
全世界的に展開する場合、やはり英語をベースとしたネーミングが多くなります。しかし、ベーシックで良い意味の英単語は、商標登録済みのことが多いので取得がむつかしいのです。その結果、造語をすることが多くなるのですが、気をつけないといけないことは、ネイティブから誤字や脱字のように思われないようにすることです。商品の特長を伝え、そのイメージを損なわない造語のテクニックが要求されます。
また、お菓子やお酒など日本製をアピールしたいとき、「MIKADO」(江崎グリコのポッキー)や「SAYURI」(白鶴酒造の日本酒)のように、日本語からの発想を取り入れている企業もあります。化粧品や日用品などでは、パッケージの一部に日本語の表記を入れ、さりげなく高品質な日本製をアピールする高等?テクニックも見受けられます。

■中国への展開
世界ブランド「エルメス」が、自社名の中国語表記「愛馬仕」によく似た、中国企業の「愛瑪仕」に対して、商標登録の取消を求めて行った裁判に敗訴ました(2012年2月)。
すでに英文のネーミングやブランドがあったとしても、中国市場に進出するときは、漢字での表現も出願しておくべきです。中国は漢字の世界ですから、英文のみでネーミングを展開した場合、マスコミや大衆がかってに中国語で当て字してしまうケースがあります。商品イメージと違った漢字を当てはめられると取り返しがつかないことになります。
日本製品をアピールするのにネーミングに日本語を用いることがあるように、生産国のイメージを出すためにその国の言語を使うことも多く見受けられます。たとえば、フランス製ワインなど、そのルーツをアピールするためにフランス語を使ったネーミングを展開することなどが例としてあげられます。